【竜陣】

「…竜陣!?」
ラプンシエルが地に書かれた魔法陣を見て、驚きの声を上げた。
ベルグに竜陣は使えないはずよ。だって…」
「イタズラばかりするから、力の源を取り上げたんだもの」と、もごもご口篭るラプンシエル。
それに対して、ベルグは不適な笑みを見せた。
「それはここが『カグヤ』だからさ」
「かぐやって?」
首を傾げるラプンシエル。
「それは…」と、ガルラが続ける。
「平たい大地の時代、この世界は十八魔王により、分断されていました。その分断された地域のひとつがこの火倶耶と呼ばれる地で、その支配者というのが…」
ガルラが横目でベルグを見やる。「ベルグなのですよ…姫」
「…初耳だわ…ふーん、でもどうせちょびっとだけなんでしょ?支配した土地って」
「とんでもない。十八魔王の中で一番広く大地を治めたのですよ、彼は」
「一時は、ね」と小声で言及するガルラ。
「えへん!」
ベルグは大威張りの様子だったが、ラプンシエルはあまり関心がないようだった。
「つまり、盛者必衰ってことよね」
「あぅ…」
ベルグはいじけて地面にのの字を書き出した…。