【火倶耶】

荒野を征く人形姫とそのお供。
「そろそろ火倶耶ですよ、ベルグ
「あ、そうだね、がるら」
ぴたり。急に立ち止まる二人。
疑問に思い、ラプンシエルが首を傾げる。
「どうしたの?」
「姫…ラクルラール様から逃げるのは無理です」
いきなりな発言にラプンシエルが目を丸くする。
「何ですって?」
「逃げるのは無理だと申し上げました。ラクルラール様のお力は、姫もよくご存知のはず」
「…それは…そうだけど…」
くるりと二人に背を向けるラプンシエル。
「行かなきゃ。二人は帰ってもよくってよ」
そして、歩き始める。
「だから、罠を仕掛けようと思います」
「え?」
「うん、これでよし☆」
振り返ると、地に魔法陣を書き上げたベルグの姿があった。